不眠症
不眠の原因は数多くあります。それは身体的要因も含めてです。
そもそもメンタルの問題がある場合、十中八九は睡眠障害を伴っているものです。
即ち、継続した不眠は楽観視せずに、早めに専門医を受診して下さい。
詳しくはこちらの専門ページをご覧ください。
起床時にボーっとする、日中が眠い、休日の睡眠時間が極端に長いといった状態は要注意です。
不眠症を放置していると、高血圧、糖尿病、認知症、うつ病等の発症率が高まる事実も分かってきています。
睡眠は寝ようと頑張ってはいけません。むしろ逆効果です。眠ったら駄目だと思うほど眠くなる体験ありませんか?
睡眠は深部体温の降下で入眠を誘い、最初の90分が一番質の高いノンレム睡眠となります。入眠して最初の3時間が最も大切で明け方にかけて次第に浅眠傾向となるのが正常パターンです。深部体温は起床して11時間後に一番高まり次第に下がっていきます。入眠2時間前に入浴し同時にストレッチ等して入浴後の深部体温降下を利用し上手に睡眠を取りましょう。
睡眠はメラトニンによって促進されますが、トリプトファン→セロトニン→メラトニンと合成されます。ただし合成されるのには13時間以上かかるので、朝にトリプトファンを多く含む食事を摂取することが安眠に繋がります。
食事について・・・
①朝食に納豆と「豆腐入りの味噌汁」をお勧めします。トリプトファンがしっかり入っています。
②寝る前の白湯は諸説ありますが、入眠しやすいと感じる方は実践。
③お腹がすいたらナッツ類やバナナで腹ごしらえをするとトリプトファン摂取に繋がります。
(良眠11か条)
①起床時間は一定に・・・体内時計が整う
②睡眠時間に拘り過ぎない・・・睡眠時間は人それぞれ、加齢で睡眠短縮は正常。
③眠くなってから就床・・・寝ようと頑張ると覚醒してしまう。睡眠制限法という就床時間を減らし睡眠の質を高める方法有り。
④昼寝は15時迄、30分未満・・・これ以上は夜間の睡眠を悪化
⑤寝る前に激しい運動をしない・・・覚醒してしまう
⑥寝る前に深酒をしない・・・睡眠の質が悪化
⑦入浴は就寝90分前に40℃程の温度で入る、のぼせるまで入らない・・・深部体温降下で入眠。副交感神経優位にする。のぼせは脳に負担あり。
⑧寝る前に暴飲暴食しない、しかし過度の空腹も避ける。朝食摂取・・・飢餓状態は不眠となる。眠前100Kcal迄は可(例チョコレート)。脳と胃腸のタイムラグを防ぐ。
⑨寝る前はPC、スマホ禁止・・・覚醒してしまう。ブルーライトの影響については諸説あり
⑩起床したら日光を浴び就寝時は暗く・・・セロトニン、メラトニンのリズムを整える
⑪頭寒足熱・・・頭は温めるよりなるべく冷やした方が良い。夏はエアコンをタイマーにせず朝までつけておく。
最近受診が増えている「むずむず脚症候群」(レストレスレッグス症候群=RLS)について・・・
患者数は日本人の3%程度(潜在的には5%)で意外に多いのです。
特に40歳以上、女性に多い特徴があり、放置すると不安や抑うつにも繋がります。
不眠症の原因の1割がこの疾患であると言われています。
(RLSの発症増悪因子)
遺伝、鉄欠乏性貧血、透析(3人に1人)、妊婦(5人に1人)、ストレス、パーキンソン病、糖尿病、繊維筋痛症、抗うつ薬、抗精神病薬、リウマチ、痛風、尿毒症、感染症、慢性呼吸不全、心不全、甲状腺機能低下
(必須診断基準)
①足を動かしたいという強い欲求、不快感
②その症状が安静にしていると始まる、増悪する
③症状は運動によって改善する
④症状は夕方、夜に悪化する
⑤他の疾患では説明できない
(補助診断基準)
①周期性四肢運動の合併(約80%)
②ドパミンアゴニストが効く
③むずむず脚症候群の家族歴がある
④日中の強い眠気がある
(日常生活での留意点)
カフェイン・アルコール・過度の喫煙を避ける
寝る前の脚マッサージ、ストレッチ
内服中の薬の見直し、SSRIで症状悪化する可能性あり。
「日中の眠気」が主訴で考えるべき疾患
ナルコレプシー
特発性過眠症
睡眠時無呼吸症
うつ病
不眠症(RLSを含む)
睡眠不足(特にロングスリーパーの)
睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害、夜驚症、夢遊病)
周期性四肢運動障害
ADHD
概日リズム障害
薬の副作用
急性期後の休息期(消耗期)
PMS
更年期障害
てんかん
解離性障害
慢性疲労症候群
脳疲労
自律神経失調症
低血糖
電解質異常
貧血
感染症
脳腫瘍等の器質性疾患