「うつ」は55歳以下の女性の心疾患リスクを2倍にするという報告です

2014年07月08日 19:32

米国心臓協会(AHA)は6月18日、中程度または重度のうつ状態にある55歳以下の女性では、死亡あるいは動脈切開手術が必要となるような心臓発作の発生リスクが2倍となることを示す研究を紹介した。Journal of the American Heart Association誌に掲載。

 研究では、心臓疾患の存在や疑いがあり、冠動脈造影術やX線検査を予定している3237人(女性34%、平均年齢62.5歳)を対象にうつ症状について調査し、その後約3年の追跡した。

 その結果、55歳以下の女性ではうつ症状1ポイント増加ごとに心臓疾患保有率が7ポイント増加し、特に中程度以上のうつ状態にある女性では、死亡あるいは動脈切開手術が必要となる心臓発作発生リスクは2.17倍、全死因死亡リスクは2.45倍となることが分かった。男性および高齢女性では、うつ症状は心臓疾患の予測因子にならなかった。

 AHAは2008年に「うつは糖尿病や高血圧と同様、心臓疾患リスク要因である」と勧告していた。今回の結果は、特に若年から中年女性で顕著であることを示唆している。

 研究著者らは、「若い女性は特に、うつと心臓疾患や死亡リスク上昇の関連を知り、うつを治療することが非常に重要。日常的なうつに対するスクリーニングの有益性は定かではないが、医療従事者は、若い女性が特にうつの影響を受けやすく、心臓疾患リスクを高めることを理解し、問診を充実させることが必要」と述べている。