女性は名前で呼ばれたい?
ポーラ化成工業は、肩書きなどの呼称ではなくファーストネーム(名前)で呼ばれることによって、愛情ホルモンといわれるオキシトシンが増加する一方、ストレスホルモンといわれるコルチゾールが減少することを見いだした。30代女性を対象にファーストネーム呼びかけ前後の唾液中オキシトシンおよびコルチゾール濃度を測定したところ、有意な結果が得られるとともに、心理面でも好意的に捉えることが分かった。この研究成果は山口県下関市で12月に開催される「ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)シンポジウム2014」で発表する。
オキシトシンは脳の下垂体後葉から分泌されるホルモンの1つで、分娩時の子宮収縮や母乳分泌を促すなどの働きがあり、親しい者との抱擁や性行為などでも増加することから愛情ホルモンとの別称を持つ。コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、糖やたん白質および脂質の代謝を制御するなどの働きがあり、身体的・心理的ストレスを受けると分泌量が増加するためストレスホルモンとも呼ばれている。
同社では今回、ストレス社会を生きる女性・母親が自分の名前で呼ばれることで起こる科学的変化を調査・検証。普段ファーストネームで呼ばれていない30代女性を対象に、オキシトシンとコルチゾールの濃度変化を測定した。
その結果、ファーストネームで呼ばれることで被験者女性のオキシトシン濃度が平均15・9%増加した半面、コルチゾールが有意に減少することを確認した。また、心理面においても“ひとりの女性としての意識”に変化があるほか“名前で呼んでくれる人は記憶に残りやすい”など、日常の何気ない行為がホルモンの状態を良好な方向へ導く手段の1つであることが示唆された。
この研究成果を受けポーラでは、心理ストレスケアとアンチエイジングを両立した業界初の新化粧品「RED B.A」のブランドコミュニケーションに活用。ファーストネームで呼ばれることで美しさにどのような変化が現れるのかに着目・製作した動画「Call Her Name」を3日から「RED B.Aブランドサイト」で公開する。