記事のアーカイブ

世話焼きが仇になる

2020年09月14日 10:43
メンタルが原因で身体症状が出ている場合、色んなケースがあります。家族が、本人の身体愁訴に応じて良かれと思って世話を焼けば焼くほど身体症状が悪化する場合があります。何故でしょうか?派手な身体愁訴を訴えれば、もっと心配してもらえる、世話してもらえるという心理が働くからと考えられます。しかし当の本人は無自覚であり、それがまた事態を難しくしているケースが多いようです。何事も節度をもって適切な距離で接し、依存させすぎない事が肝要です。渡邊院長

「許す」ということ

2020年09月14日 10:34
許せない人がいる。苦しいですね。「許す」とはどういうことでしょう。「許す」とは、相手のためではなく、自分のための取り組みです。相手を罪から解放させるのではなく、自分を囚われから解放させること。相手を大目にみることではなく、相手への怒りを手放すこと。その人の影響下で生きるのをやめ、その人にさようならをすること。では、「許す」ために何をしたらよいのでしょう。安全な場所で「許せない相手への感情」を話し、それを、誰かに受け止めてもらうのです。何度も何度も話しましょう。何度も怒りを言葉にし、何度も悲しみを涙で浄化させましょう。許せない相手に、過去だけでなく、現在と未来までも奪われてしまわないために。窪田

抜け道探し

2020年09月04日 08:48
重要な会議での発言、プレゼンテーション、満員電車の中、飛行機の中、抜けられない仕事、夫不在時の子育て、いろいろな状況で、抜け道が無いと思うと、人は緊張したり、パニックになったりします。でも、どうでしょう。この世の中は、そんなに抜け道が無い危険な場所でしょうか?重要な会議での発言、確かに緊張します。しかし、たとえ声が震えたとしても、それだけで仕事を失うわけでもないし、たとえ間違ったことを言ったとしても、後で訂正すればよいわけですし、たとえ具合が悪くなったとしても、「すみません。体調が悪くて」と離席すればよいのです。(それらが許されない厳しい職場もあるかもしれませんが......。)満員電車、確か

雑談上手になる3つの方法

2020年08月29日 08:31
雑談が苦手な方のために、雑談上手になるための3つの方法を紹介します。1つ目は「聞き役になる」です。雑談が苦手な方は、「話題の提供」、つまり「何を話すか」に戸惑う方が多いようです。確かに「話題の提供」は雑談の重要な要素ですが、話す人と聞く人、両方がいて、雑談は成立します。ここは、開き直って聞き役になってみましょう。相手が「週末買い物に行ったんだ」と言ったならば、「そうなんだ」と相槌を打つのです。きっと、相手は気分良く、たくさんお喋りしてくれますよ。2つ目は「オープンクエスチョン」です。「オープンクエスチョン」とは、「はい」「いいえ」で答えられない質問です。中学英語などで習う、5W1H(いつ?どこ

子どもを叱るとき

2020年08月21日 08:39
子どもの叱り方がわからない。という方、実は多いです。子どもを叱るとき、重要なことは、行動を注意し、人格を否定しないことです。「おもちゃを出しっぱなしにしないでね」ぐらいであればよいのですが、「あなたは何度言ったらわかるの?」「あなたは何でできないの?」「あなたは何をやってもダメじゃない」となってくると、子どもの行動は正せるかもしれませんが、子どもの自己肯定感は失われていきます。ついつい感情的になって言い過ぎてしまう......。そういう方には、「1分ルール(1分以上叱らない)」がおすすめです。1分以上叱ると、「行動の注意」より「人格の否定」の要素が強くなります。(これは、夫婦間や職場の人間関係

発達障害ケースの適性

2020年08月07日 09:37
例えばレストランという職場で、発達障害の方が不向きなポジションは何か?・・・それは恐らく「ホールスタッフ」です。ASDケースではコミュニケーション能力が、ADHDケースではマルチタスクがネックになります。では比較的向いているポジションというと?・・・「皿洗い」は悪くないですね。コミュニケーションが少なく黙々と一つの事に打ち込めるので、ASDケースには向いていると思います。ではADHDケースではどうでしょうか?皿洗いも悪くないですが、単調作業に飽きてしまい丁寧さを欠くかもしれません。発想力、閃きを活かして「企画」の仕事がいいかもしれません。但し段取りを要する企画書は他の人に書いてもらうなどのサポ

「恥」のエネルギー

2020年08月07日 09:14
「みんなの前で失敗した」「コンプレックスをからかわれた」「自分より他人が評価された」「影で悪口を言われていた」そのような場面で、私たちは「恥」の感情を感じます。適度な「恥」の感情であれば「向上心」になるかもしれませんが、「恥であってはならない」「恥である自分は存在してはならない」となると、「苦しみ」になってしまいます。「恥」のエネルギーはどうやったら大きくなり、どうやったら小さくのでしょう。「恥」のエネルギーは、隠すことにより大きくなり、話すことにより小さくなる、と言われています。「実は恥ずかしながら......。」などと、オープンに話した方が小さくなるのです。ただ、この世の中では、オープンに

カウンセリングの主導権

2020年07月25日 09:28
カウンセリング受けてみたいけれど、何をするかわからなくて怖い。過去カウンセリングで傷付いたので、もう受けたくない。そういう方、実は多いです。誤解されていることなのですが、実は、カウンセリングの主導権は、カウンセラーにあるのではありません。主導権はクライエントのみなさんにあります。クライエントのみなさんは、カウンセラーを30分3000円で雇っているのです。なので、カウンセリングについて意見することも、カウンセラーを解雇することも自由です。例えば......。「カウンセラーが提案した、カウンセリングの効果が感じられない」とても大事なご意見です。カウンセリングの方法はたくさんあるのですが、それぞれの

心が癒されるために

2020年07月20日 20:30
気持ちを話して誰かに受け止めてもらうこと。これは、心が癒されるための原則です。この原則を忘れてしまった人がいます。それは私です。男は泣くもんじゃない。弱音や愚痴は吐くもんじゃない。私が育った時代は、そのような時代でした。人間関係の辛さを押し殺し、生活する日々。ある日私は、激しい動悸で立つことすら困難になりました。私が受けた診断は「心身症」でした。それから私は、自分の気持ちを話すことに努めました。自分の気持ちを話し、受け止めてもらうにつれ動悸は軽くなり、「心身症」は回復しました。気持ちを話して誰かに受け止めてもらうこと。その効果を証明できる人。それは私です。みなさんは、自分の気持ちを話し、受け止

臨床上ピットフォール

2020年07月20日 19:38
ピットフォールとは落とし穴という意味です。「繰り返す鬱」という事で他院にて治療歴がある方が本日紹介状を持って受診されました。詳しく診察すると主診断は発達障害で、うつ症状は発達障害の二次障害でした。こういった症例を「うつ病」と診断し、抗うつ剤のみ処方しても決して完治することはなく、原因となっている発達障害の治療をすることが正解となります。「治療が上手くいかない場合、何か見落としていないかと立ち止まったほうが良い」という典型的な症例でした。渡邊院長
アイテム: 161 - 170 / 819
<< 15 | 16 | 17 | 18 | 19 >>